「エマの自信作」の進化版
この記事ではドイツ発のマットレスブランド【エマ・スリープ】の「エマ・ハイブリッドV2」をご紹介します。
なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ぜひご参考くださいね。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
目次
【最新】エマ・スリープのセール情報(11/25まで)
現在、セールで最大60%OFFです。
セール期間 | 11月19日(水)午前0時~11月25日(月)午後11時59分 |
---|---|
割引率 | 割引適用商品:
|
【2023年11月28日更新】リニューアル情報(旧モデルとの違いは?)
エマ・マットレス ハイブリッドは、2023年11月28日に「V2(バージョン2)」にリニューアルしました。
旧モデル | 新モデル(V2) |
---|---|
寝心地の違いとしては、よりポケットコイルらしさを感じられる仕様になりました。
旧モデル | 新モデル(V2) |
---|---|
旧モデルと新モデルの断面の違いは以下のとおりです。
旧モデル | 新モデル(V2) |
---|---|
旧モデルのポケットコイル高は約13cmでしたが、新モデルは約20cmと約1.5倍も高くなりました。
旧モデル | 新モデル(V2) |
---|---|
コイルの高さがあるほど、ふんわりとしたクッション性を感じやすいです。
一方、ウレタンの厚さは減りました。(旧モデルが6cm、新モデルが4.5cm)
旧モデル | 新モデル(V2) |
---|---|
ウレタンの厚さが薄くなることで、よりポケットコイルならではの寝心地を感じやすくなっています。
さらに、マットレス全体の使用するウレタンの量もかなり少なくなりました。
以下の画像のとおり、旧モデルではポケットコイルが分厚いウレタンで囲われていましたが、新モデルでは外周・下層のウレタンがなくなっています。
旧モデル | 新モデル(V2) |
---|---|
特に外周のウレタンがなくなることで、通気性が格段に高まったことも新モデルのメリットです。
重要な変更点をまとめる以下のとおりです。
- ウレタンフォームの量を減らし、よりポケットコイルらしい寝心地に変化(通気性も向上)
- ポケットコイルの高さや密度が高まり、よりふんわりとクッション性の豊かさが増した
3層ウレタンフォームの素材も変わり、新モデルでは「高反発ウレタン×低反発ウレタン×一般ウレタン」という構造になりました。(詳しくは後述します)
メーカーの「エマ・スリープ」とは
エマ・スリープは、ドイツ発のマットレスブランド。基幹モデルはウレタンマットレスの「エマ・マットレス」です。
エマ・マットレスは2015年に欧州で発売され、ついに2020年から日本での販売が開始しました。
今ではシリーズ全体で600万人のユーザーが愛用している世界的なマットレスブランドに成長しています。
エマ・スリープのマットレスシリーズ(5つ)の違いは?
エマ・スリープのベッドマットレスは以下の種類があります。
モデル | 画像 | タイプ |
---|---|---|
①オリジナルV2 | ハードウレタン×ポケットコイル | |
②ハイブリッドV2 | 3層ウレタン×ポケットコイル | |
③プレミアム | 低反発ウレタン×ポケットコイル | |
④プレミアムV2 | 4層ウレタン×ポケットコイル | |
⑤ラグジュアリー | ポリマー×多層ウレタン×ポケットコイル |
当サイトではすべてのモデルの体験・検証をしております。
特におすすめはこの記事でご紹介する「エマ・ハイブリッド V2」です。
ポケットコイル×高反発×低反発のトリプルハイブリッド仕様で、寝心地が良く、この記事でご紹介するエマ・マットレス(スタンダードモデル)の上位互換マットレスです。
各モデルの違いは以下の記事をご参考くださいね。
なお、三つ折りタイプの「エマ・敷布団 プレミアム」もあります。詳しくは以下の記事をご参考ください。
三つ折りタイプはこちら【体験レビュー】エマ・敷布団 プレミアムの特徴&寝心地を徹底解説
エマ・ハイブリッドV2の基本情報
メーカー | エマ・スリープ |
---|---|
サイズ | シングル~キング |
クッション材 | ポケットコイル&ウレタンフォーム |
硬さ | ややソフト |
重さ(Sサイズ) | 18.4 kg |
価格(Sサイズ) | 133,000円 |
保証期間 | 10年 |
エマ・ハイブリッド V2とプラスの違いは?(セール対象かどうかで決めよう)
2024年6月から「エマ・ハイブリッド V2 プラス」という新商品が追加されました。
従来の「エマ・ハイブリッド V2」との違いはカバーのみです。
「エマ・ハイブリッド V2 プラス」は、従来よりもさらに吸湿性を高めたカバーを使用していて、価格が+1,000円高いです。
モデル | ハイブリッド V2 | ハイブリッド V2 プラス |
---|---|---|
カバー性能 | 吸湿性 | さらに吸湿性を向上 |
価格 | 133,000円 | 134,000円 |
プラスの実物も体験しましたが、カバーの吸湿性については、正直、違いがわかりませんでした。
V2 | V2プラス |
---|---|
カバーデザインもほとんど同じなので、見分けがつきにくいレベルです。
なお、ポケットコイルや詰め物仕様は全く同じなので、寝心地は同じです。
+1,000円で吸湿性を高めるなら、V2プラスを選んでも良いと思いますが、基本的にマットレスにはシーツをかけて使うため、カバーの差はあまり気にしなくても良いでしょう。(実際に使うシーツの吸湿性に大きく影響されます)
むしろ、時期によって、セール対象か非対象かがあるので、その時にセール対象かどうかで決めて良いと思います。
【まず結論】エマ・ハイブリッドV2の評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- 底付きや圧迫感がないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?(総合評価)
体験を通じエマ・ハイブリッドV2を以下のように評価しました。
▼ エマ・ハイブリッドV2の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.47 ※セール時は3.73 |
仰向き寝 | 4.5 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 2.5 |
通気性 | 4.0 |
寝返り | 3.5 |
底付きのなさ | 4.5 |
バネ当たりのなさ | 5.0 |
耐久性 | 3.5 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 1.77 ※セール時は2.74 |
※目安は「3.50」以上が高評価です
※セールは50%OFFで計算
【総評】「高反発ウレタン×低反発ウレタン×ポケットコイル」で作られた奥行きがある寝心地
エマ・スリープの自信作と謳われた「エマ・マットレス ハイブリッド」のリニューアルモデルです。
ウレタンマットレスとポケットコイルマットレスが融合された「ハイブリッド仕様」が特徴。
芯材にクッション性が豊かな約20cmのポケットコイルを使用し、詰め物にエマ・スリープが得意とする3層のウレタンフォームが入った豪華な仕様となっています。
1層目は、高反発ウレタンを使用し、自然な背骨のS字カーブを保持します。(寝姿勢保持)
続いて2層目は、低反発ウレタンならではの衝撃吸収性よって保持された寝姿勢をつぶれることなくサポートします。
上の動画のとおり、2層目が潰れずに寝姿勢を保持しつつ、低反発ならではフィット感によって、体圧も分散されます。
3層目は硬めのウレタンフォームと使っていて、上層で保たれた寝姿勢をさらにサポートし、下層のポケットコイルに荷重を受け渡します。
ポケットコイルは体の部位によって硬さが異なる「7ゾーニング仕様」で、上半身が落ち込みにくく、かつ、腰当たりのくびれにしっかりとフィットするようなサポート性を発揮します。
こうしたバランスによって、「ふんわりとフィット感がありつつも沈み込みにくい」という理想的な寝心地を提供してくれるのがエマ・ハイブリッドV2の特徴です。
一方、外周が強化された仕様でない(コイル線型も太くない)ため、端の沈み込みが深いことがデメリットなので、できればワンサイズ大きめを選ぶのがおすすめです。
特徴・使用感・寝心地については以下より詳しくご紹介します。
エマ・ハイブリッドV2の特徴&メリット
1. 「ポケットコイル×ウレタン」のハイブリッドタイプ
エマ・ハイブリッドの「ハイブリッド(=複合)」たらしめる理由は、ウレタンフォームとポケットコイルの異素材をMixさせた仕様だからです。
結果的にウレタンフォームならではの高い弾力性・衝撃吸収性に加え、ポケットコイルならではの荷重分散・寝姿勢保持の良さを兼ね備えた「ハイブリッドな寝心地」が味わえます。
なお、ウレタンフォームは以下のとおり、3層構造になっています。
層 | 1層目 | 2層目 | 3層目 |
---|---|---|---|
素材 | 高反発ウレタン | 低反発ウレタン | 一般ウレタン |
厚さ | 1.5cm | 1.5cm | 1.5cm |
硬さ | 60N(やわらかめ) | 100N(ふつう) | 150N(ややかため) |
高反発(1層)の「寝姿勢保持性」、低反発(2層)ならではの「衝撃吸収性」「フィット性」を、硬めのウレタン(3層)で支えつつ、荷重をポケットコイルでふんわりと受け止めるという素晴らしいバランスで作り上げられています。
特徴が異なる素材たちをうまく融合させたハイブリッド仕様です!
2. エマ・スリープのシリーズの中で最も環境に優しい
エマ・ハイブリッドV2は、他の2モデル(エマ・マットレス、およびプレミアム)に比べて使用しているウレタンフォームの量が非常に少ないです。
エマ・マットレス(現在終売) | エマ・マットレス プレミアム |
---|---|
ウレタンフォームの製造には、二酸化炭素やフロンなどの温室効果ガスが必要なので、ウレタンフォームの仕様量が少ない=地球温暖化の抑制につながるとも言えるでしょう。
3. シンプルな返品システム(100日お試し期間付き)
エマ・ハイブリッドV2は購入してから100日間のお試し期間があります。
自分に合ったマットレス選びというのは本当に難しいものですが、これだけ長い期間試せるなら安心して購入することができるでしょう。
しかも、返品の仕組みはすごくシンプル、且つ良心的です。
返品手順は以下の通りです。
- サポートに連絡
- 製品の回収
- 全額返金(手数料なし)
お試し期間つきのマットレスはそこまで珍しくありませんが、メーカーによっては隠れた手数料があったり、自分で梱包して業者を手配しないといけない場合もあります。
その点、エマは手数料がかからず、基本的にサポートに連絡するだけで、あとはメーカー側で手配し回収に来てもらえるという、かなりシンプルな返品システムが大きな魅力と言えるでしょう。
回収(返品)当日の様子については以下の動画でご紹介しているのでご参考くださいね。※音声あり
・
・
・
【体験レビュー】エマ・ハイブリッドV2を実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルサイズです。
開梱します。
取扱説明書などの同封はなく、段ボールにマニュアルページ(オンライン)を読み込むQRコードが印刷されています。
マットレスはロール状に圧縮し梱包されています。
中身はマットレス本体のみです。
マットレスの重さは約18.4kgなので、やや重めです。
マットレスには開封用のカッターが同封されていました。
開封時にマットレスが傷つきにくいカッターなので、親切ですね。
ビニールをカッターに挟むようにして、開封していきます。
開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
上の動画のとおり、ビニールが切れると膨張が始まり、元の形への復元されます。
外観のチェック
開封直後からほとんど元の状態まで復元されています。
マニュアルページでは「開封後、数分で元のサイズに膨らみます。」とあったので、約3日経過した状態と比較したアニメーションを作りました。
このとおり、約3日経過すると完全に元のボリュームに復元されました。
マットレスの厚さはこのくらいです。
公表値どおり約25cmの厚さが確認できました。
マットレスの外観をご紹介します。
カバー表面はシンプルなドット状のデザインです。
ポリエステルを主原料としたサラリとした触り心地です。
適度に伸縮性もあるので、体へのフィット感や寝返りサポート性も高いです。
生地のアップはこんな感じです。
マチ部分はサラッとしたポリエステル仕様で、タグ(ロゴ)があります。
サイド面に取っ手がついています。
取っ手があることでマットレスの移動などがしやすく便利ですね。
裏面はこちら。
カバー裏面は少量のポリプロピレンが配合されていて、ゴムのような感触があります。
滑り止めのような構造をしているので、ベッドフレームに置いた時にズレにくいです。(エマ・スリープ共通仕様です)
芯材はファスナー付きのカバーで閉じられています。
カバーは上下の分離が可能です。
なお、カバーは洗濯可能なので、例えば「汚れやすい上面カバーのみを洗濯する」ということもでき、便利です。
内部構造
内部構造をチェックしていきましょう。
芯材(ポケットコイル×ウレタンフォーム)がこちら。
芯材は保護カバーで覆われています。
カバー(上・下)と芯材です。
芯材を詳しくチェックしていきましょう。
芯材を覆っている保護カバーにはファスナーがないため、取り出せない仕組みになっていますが、芯材の様子を詳しく見るために、ハサミで切ります。
取り出した芯材はこちら。
上から、
- Point-elastic Airgocell フォーム(高反発)
- Halo Memory フォーム(低反発)
- Comfort HRX フォーム
- 不織布
- ポケットコイル(7ゾーン)
- 不織布
という構造です。
1層目の高反発ウレタンフォームです。
高反発らしいモチモチした弾力性があります。
2層目(Halo Memory フォーム)は、低反発フォームのため、沈み込んだ寝姿勢にフィットする形で下層に荷重を受け流します。
3層目(Comfort HRXフォーム)は150Nという比較的しっかりとした硬さがあるため、この部分で寝姿勢をしっかりと整えて、ポケットコイルに荷重を受け渡します。
ポケットコイルの構造を見るために、一部ウレタンフォームを裁断します。
こちらが芯材のポケットコイルです。
旧ハイブリッドは、ポケットコイルをウレタンフォームで囲う構造していましたが、新ハイブリッド(V2)では、外周・下層のウレタンフォームを取っ払うことで、より高さがあるコイルが採用でき、さらに通気性も改善されました。
旧ハイブリッド | 新ハイブリッド(V2) |
---|---|
ウレタンフォームの厚さは各1.5cm×3層の計4.5cmです。
しっかりと厚いウレタンフォームがあるので、底付きやバネ当たりはまったく感じません。
これだけの厚みがあると、ポケットコイルまで体の沈み込みは到達しにくいです。
なお、エマ・ハイブリッドV2のポケットコイルは、場所によって硬さが異なる「ゾーニング仕様」です。
以上のように、コイルの太さ(線径)を変えて、7か所で体をサポートします。
ポケットコイルの仕様(読み飛ばしてもOKです)
ポケットコイルの仕様は商品によって異なり、メーカー各社、販売ページでセールスポイントとして訴求していたりします。
細かい話なので、『そこまで気にしないでも良いかな?』と思うレベルですが、念のためご紹介します。(なので、ご興味なければ読み飛ばしてOKです)
- 密度(いくつコイルを使っているか)
- 配列(並行か交互か)
- 線径(バネの太さ)
- 線種
- コイル高と圧縮率
エマ・ハイブリッドV2のポケットコイルの仕様は公式サイトでは非公開ですが、当サイトによる調査の結果は以下の通りです。
▼ エマ・ハイブリッドV2の仕様 | |
---|---|
配列 | 並行配列 |
密度 | 480個前後/S |
線径 | 1.9mm/2.0mm(7ゾーニング) |
線種 | 不明(非公表) |
コイル高/圧縮率 | 20cm/12% |
なお、これらの仕様は基本的に優劣ではなく、そのマットレスが表現したい寝心地を作るためものです。
配列の特徴は?
ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。
並行配列 | 交互配列 | |
---|---|---|
画像 | ||
硬さの傾向 | ソフト | ハード |
跳ね感 | 強い | 弱い |
特徴 | 寝返りがしやすい | 静かな寝心地 |
耐久性 | △ (部分的には弱め) | 〇 |
価格 | 安価に作りやすい | 高価になりやすい |
エマ・ハイブリッドV2は「並行配列」を採用しています。
並行配列はバネの動きが出やすいため、寝返りのサポート性があり、比較的ふんわりとソフトな感触が特徴です。
なお、エマ・ハイブリッドV2のような圧縮梱包のポケットコイルマットレスは、すべて並行配列です。(交互配列は圧縮できない仕様のため)
密度の特徴は?
密度とは「ポケットコイルの量」のことです。
エマ・ハイブリッドV2はシングルサイズあたり「480個」の密度です。
現在のポケットコイルマットレス市場はコイルの数量(密度)をセールスポイントにすることが多いですが、密度のレベルの違いを大雑把にまとめると以下の通りです。
密度 | 意味合い |
---|---|
300個台 | 低密度(耐久性が不安&バネ当たりも感じやすいので避けた方が良い) |
400~600個台 ★本商品 | 中密度(バネの動きが出やすく寝返りサポート性が得られる) |
700~1,000個 | 高密度(線径が細く、コイル高も高くなるので、ふんわりとした寝心地) |
1,000個以上 | 超高密度(ジェル的で静かな寝心地・バネを感じにくい) |
基本的にポケットコイルマットレスは、密度が低いほどコイルひとつあたりにかかる負荷が高くなるため、特に300個レベルの低密度タイプでは耐久性に支障が出る可能性も高くなります。
とはいえ高密度であるほど良いというわけではなく、耐久性としての適切な密度レベルは450個以上で、それ以上であれば耐久性に特に大きな差はなく(あとはバネの品質や生産加工レベル・詰め物など、密度以外の問題によって耐久性が決まります)、むしろ寝心地の差(跳ね感orフィット感、ソフトorハード)が生まれます。
エマ・ハイブリッドV2の密度(480個/S)は、耐久性的に問題ないレベルで、コイルの動きが出やすいような中密度仕様です。
線径とは?
線径とは「バネの太さ」のことです。
線径は、太いほど反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。
寝心地の目安としては以下の通りです。
線径と寝心地(目安)
- 線径1.9mm以下:しなやかな寝心地
- 線径2.0mm以上:しっかりとした寝心地
エマ・ハイブリッドV2は7ゾーニング仕様で、場所によって線径1.9mmと2.0mmを仕様しています。
エマ・ハイブリッドV2の7ゾーニングは、腰のくびれ~おしりあたりはしなやかに、背中はグッとしっかり支えるというイメージです。
バネの品質は?(線種)
ポケットコイルのバネは主に硬鋼線(こうこうせん)という鉄線で作られ、その品質はメーカーや商品によって異なります。
エマ・ハイブリッドV2の硬鋼線の線種は非公表です。
なお、線種表示は以下のように解釈します。
表示例 | 意味 |
---|---|
SWRH | マットレスのコイルは基本的に硬鋼線(SWRH)を使用 |
72(反発性) | 数値が高くなればなるほど反発力が高い |
B(耐久性) | マンガン含有量(AよりもBが多く、耐久性がある) |
C(強度) | A<B<Cの順で強度が高い |
ちなみに、2017年に品質表示法の改正があり、線種の表示義務はなくなりました。これは「バネの品質は実際の寝心地や耐久性を知るうえでそこまで重要な情報ではない」ということが示されたと言えます。
ただし、バネそのものが高品質であればそれだけ長持ちしやすいですし、シモンズやサータ等の有名メーカーもバネの品質には相当こだわりをもっているので、依然としてポケットコイルマットレスを選ぶ上で気に留めておくべきポイントとも考えられます。
基本的にエマ・スリープのような海外ブランドは線種を公開していません。
コイル高と圧縮率
「コイル高」は高くなるほどふんわりとした感触になり、「圧縮率」は高くなるほど耐久性にプラスに働きます。
エマ・ハイブリッドV2のコイル高は約20cm、スプリングの圧縮率は約12%でした。
この仕様は、
- コイル高は「高め」
- 圧縮率は「低め」
と言え、結果的にクッション性は高く、耐久性にはプラス要素はありません。
読み飛ばしOKなのはここまで!
・
・
・
【詳細解説】エマ・ハイブリッドV2の評価について
この記事の冒頭で星付けして評価した以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ エマ・ハイブリッドV2の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.47 ※セール時は3.73 |
仰向き寝 | 4.5 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 2.5 |
通気性 | 4.0 |
寝返り | 3.5 |
底付きのなさ | 4.5 |
バネ当たりのなさ | 5.0 |
耐久性 | 3.5 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 1.77 ※セール時は2.74 |
※目安は「3.50」以上が高評価です
※セールは50%OFFで計算
1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の約60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「4.5」。
仰向き寝こそ、ハイブリッドの良質な寝心地を素直に感じられるでしょう。
3層のウレタンフォーム(4.5cm)のグラデーションを存分に活かして、荷重を受け止めます。
この時、特に背中から腰あたりの背骨のS字ラインがある場所に、しっかりとフィットし、心地よい体圧分散性が感じられます。
ただし、腰からお尻にかけては、ポケットコイルがやわらかくなっているため、腰のサポート力は、他のモデルより劣ります。
なお、腰のサポート力を求めるならエマ・マットレス(現在終売)がおすすめです。
ハイブリッド V2は、体全体をふんわりと受け止め、感覚的に圧力が均等に感じるような寝心地が特徴で、しかも高反発フォームを使っているため、寝姿勢保持性も良いです。
よって、ハイブリッド V2の最大のメリットは、エマ・マットレスシリーズの中で、最も体圧分散性・寝姿勢保持性のバランスが良いという点だと評価します。(そして、このバランスはとても大切です)
底付きやバネ当たりも感じられませんでした。
2. 横向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「4.0」。
ハイブリッド V2は、2層目に衝撃吸収性が高い低反発ウレタンフォームを採用しています。
さらに、3層のウレタンフォームによって、バランスよく荷重が分散されていくため、圧迫感を感じやすい肩回りも快適です。
また、中心(腰~おしりあたり)が適度に沈み込むので、脇下~くびれ部分にしっかりフィットし、圧迫感が薄く、快適でした。
底付きやバネ当たりも感じられませんでした。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、逆に寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「3.5」。
1層目に高反発フォームを使用していますが、2層目の低反発フォームの影響もあり、寝返りは少しだけ「もったり」した感じはあります。
とはいえ、寝姿勢保持性が良いため、体の中心線がまっすぐになりやすい点で、ストレスなく寝返りは打てます。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「2.5」。
ハイブリッド V2の最も残念な点が「端の沈み込みやすさ」です。
外周強化はなく、圧縮率が低く、コイル高が高いポケットコイルを使っているため、荷重にしなやかに反応する分、端では大きく歪みやすいです。
さらに線径(バネの太さ)も1.9~2.0mmの太くないタイプです。
寝返りによって落ちそうになることもありましたので、ワンサイズ上の大きさを選ぶのがおすすめです。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。
評価は「4.0」。
ハイブリッド V2は通気性が配慮された構造をしています。
一般的にウレタンフォームは蒸れやすい素材ですが、ハイブリッド V2の1層目・2層目のウレタンは膜が大きく、通気性が高い仕様となっています。
体の近くにある表層の通気性が良いと、蒸れを感じにくいです。
さらに、エマ・スリープの中では唯一ポケットコイルがウレタンに囲われていないので、シリーズ中の通気性の高さは一番です。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「4.0」。
耐久試験の結果・スプリングの線種・ウレタンフォームの密度などの情報は非公表です。
また、片面仕様なので表裏のローテーションができないという点はデメリットですが、保証期間が10年も付いているのは品質への自信とも考えられます。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「3.0」。
生地や素材に衛生加工(抗菌防臭や防ダニ等)はされていませんが、カバーは洗濯可能です。
上下で2分割になるので、コンパクトに折りたためるため、ご家庭でも洗濯しやすいでしょう。
なお、上下で2分割されることは、体に近い上のカバーのみ洗濯できる点も魅力です。
マットレスのカバーはなかなか乾きにくいこともあり、上下分割仕様はメンテナンスしやすい工夫と言えます。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「3.0」。
本商品の重量はシングルサイズで約18kg。一般的なマットレスの中では「やや重い」くらいです。
しかしながら、カバーに取っ手が付いているという気配りが素晴らしく、重いながら取り扱いのストレスが少ないと言えるでしょう。
ただし、捨てやすさについては、スプリングコイルを使用しているため、基本的には粗大ゴミ扱いなので、捨てにくいです。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで総合評価値につながります。
評価は「1.77」。
本商品の価格はシングルサイズで133,000円です。
マットレス市場全体から考えると「高め」の価格帯です。
ただし、ハイブリッド仕様で、長期お試し期間付きということを考えると決してコストパフォーマンスは悪いわけではありません。
10. 硬さは?
ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。
エマ・ハイブリッドV2は「ややソフト」くらいの寝心地です。
その理由は、以下の構造(硬さ)のためです。
層(厚さ) | 素材 | 硬さ |
---|---|---|
1層(1.5cm) | 高反発ウレタン | ソフト(60N) |
2層(1.5cm) | 低反発ウレタン | ややソフト(100N) |
3層(1.5cm) | レギュラーウレタン | ハード(150N) |
4層(約20cm) | ポケットコイル | ややソフト |
1層目・2層目としては、かなりやわらかい寝心地です。
そして3層目のハードウレタンでグッと支えられ、寝姿勢が保持されます。
クッション材のポケットコイルは約20cmの高さがあるタイプで、線型(1.9~2.0mm)、圧縮率(約12%)という仕様のため、「ふんわりやわらかめ」です。
高反発フォーム(1層目)による体の押し上げと、ハードウレタン(3層目)による沈み込みの抑制という仕様もあるため、結果的には「やや柔らかめ」くらいの感触に落ち着きます。
主観的な硬さの評価としては10段階中(10が最も硬いとして)、4.5くらいの硬さだと感じました。
・
・
・
似ている商品との比較
エマ・ハイブリッドV2の特徴である「高反発ウレタン×ポケットコイルマットレス」という仕様を持つ2つのモデルと比較します。
モデル | ①エマ・ハイブリッドV2 | ②夜香プレミアム2 | ③プレミアムスプリングマットレス |
---|---|---|---|
画像 | |||
メーカー (ブランド) | エマ・スリープ | 源ベッド | GOKUMIN |
寝心地 | ややソフト | ふつう | 硬め |
厚さ | 25cm | 26cm | 20cm |
エッジサポート | × | 〇 | |
両面仕様 | × | 〇 | × |
ゾーニング | 〇 | × | |
カバー洗濯 | 〇 | × | |
保証 | 10年 | 最大3年 | 8年 |
お試し期間 | 100日 | なし | |
サイズ | S~K | S~WD | SS~Q |
価格 (Sサイズ) | 133,000円 | 36,900円 | 約19,000円 |
リンク | 公式HP | 公式HP | Amazon |
比較商品② 源ベッド「夜香プレミアム2」とは
②は広島県の老舗ベッドメーカー「源ベッド(運営会社:チヨダコーポレーション)」のオリジナルマットレス。基幹ブランド「夜香(やこう)」のプレミアムグレードの商品です。
最大の特徴は、詰め物に高反発プロファイルウレタンを使用していること。
「プロファイル」とは、凹凸加工のことで、点によって支える構造のため、体圧分散性が高く、寝姿勢安定性も良い感触です。
また、芯材のポケットコイルこそ源ベッドの強みで、JIS基準最高クラスの硬鋼線を使用し、自社の国内工場でバネから作り上げるこだわりです。
さらに、ポケットコイルの圧縮率が高く(耐久性も高く)、外周強化のみコイル線径を太くしたエッジサポートもあり、芯材レベルでは3商品の中でも最もハイグレードな仕様と言えるでしょう。実際の寝心地も素晴らしいです。
お試し期間がないのがデメリットですが、この価格では考えられない仕様・寝心地が実現された逸品だと評価しています。
比較商品③ GOKUMIN「プレミアムスプリングマットレス」とは
③GOKUMINは株式会社KURUKURUという日本企業のオリジナルマットレスブランドです。
このモデル(プレミアムスプリングマットレス)はAmazon内でかなり人気(レビュー数5,000件以上※)のポケットコイルマットレスなので、一度目にしたことも人も多いのではないでしょうか。※レビュー数は記事公開時点の情報
低価格のわりに詰め物の品質が高く、密度32Dの高反発ウレタンを使用していることが特徴。
ただし、実際の寝心地としては、そこまで反発性の高さを感じず(当サイト計測値では反発弾性率45%)、接着剤を多用している作りのせいか、ポケットコイルならではの滑らかなフィット感や揺れにくさなどはいまひとつでした。
ですが、1万円台という価格を考えると致し方ないことで、逆に「1万円台でよくこの仕様を搭載できたな」という評価もできます。
かなりハードな寝心地なので、『硬めのマットレスが好き』という人は一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
エマ・ハイブリッドV2は寝心地も良いですが、何といっても100日のトライアルが魅力ですね。やはりマットレスは体に合う・合わないが出やすいものなので、これだけ長期間にわたってリスクなく試せるのは、多少価格が高くても納得感はあります。
・
・
・
【実際の流れ】エマ・スリープの返品はどんな感じ?
当サイトでは実際にエマ・スリープ(エマ・マットレス)の返品体験を行いましたが、結論、すごく簡単でした。
エマ・スリープの返品手順は以下のとおりです。
手順 | 方法 |
---|---|
①返品依頼 | メール(公式サイト) |
②アンケートへの回答 | フォーム |
③回収業者との日程調節 | メール |
④回収当日 | 玄関先でマットレスを引き渡し |
⑤返金(終了) | メールで案内 |
回収当日の様子については以下の動画でご紹介しています。
返品に関する一連の流れは、以下の記事をご参考くださいね。
まとめ
いかがでしたか。
エマ・スリープの自信作と謳われた「エマ・マットレス ハイブリッド」のリニューアルモデル「エマ・ハイブリッドV2」をご紹介しました。
旧モデルは「高反発フォーム×ポケットコイル」でしたが、今回のリニューアルで低反発フォームも加えられ、トリプルハイブリッド(高反発×低反発×ポケットコイル)と言える仕様に生まれ変わりました。
さらに、ポケットコイルの周りを囲っていたウレタンフォームを取っ払い、通気性が格段に高まっていることもメリット。
一方、コイルが高い(約20cm)ポケットコイルらしい「ふんわりしたクッション」性を感じられますが、外周強化をしていないため、端が沈み込みやすいことが懸念点です。
よって、寝返りを多く打つ人は、ワンサイズ上の大きさを選ぶのがおすすめです。
マットレスは合う・合わないが出やすいですが、エマ・スリープなら100日のお試し期間があるので、気軽に試せることも大きな魅力です。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。