王道のポケットコイルマットレス
この記事ではビーナスベッドの「国産ポケットコイルマットレス」をご紹介します。
今回は体験レビュー用に商品を自費購入しています。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれ、発生した広告収入をサイトの運営費に充てています
目次
メーカーの「ビーナスベッド」とは
ビーナスベッドは、昭和41年より営業を開始し、2020年で50周年を迎えた老舗企業「ビーナスベッド株式会社」(岡山県)が展開するベッドブランドです。
ベッド事業の他に、婦人雑貨事業(かぐらや)なども展開し、岡山県地産の商品を製造販売しています。
温もりを感じられる木製フレームと高品質なポケットコイルマットレスが強みで、組立設置が無料サービスで付いている点も魅力です。
ビーナスベッド「国産ポケットコイルマットレス」の基本情報
サイズ | セミシングル~キング ※ロングサイズあり |
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クッション材 | ポケットコイル |
カラー | ベージュ |
価格(Sサイズ) | 44,800円 |
保証期間 | 商品到着7日以内 ※未開封に限る |
【まず結論】このマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネ当たりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価しました。
▼ ビーナスベッド「国産ポケットコイルマットレス」の評価 | |
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総合評価 | 3.53 |
仰向き寝 | 4.5 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 3.5 |
通気性 | 3.5 |
寝返り | 3.5 |
底付きのなさ | 4.0 |
バネ当たりのなさ | 3.5 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 4.0 |
取り扱いやすさ | 2.0 |
価格 | 3.25 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
【総評】スプリングで勝負する、王道ポケットコイルマットレス
本商品は、累計販売数61,000本を超えるロングセラー商品。(2021年1月時点)
その特徴をひと言でまとめると「ポケットコイルならではの寝心地を追求したマットレス」です。
ポイントは詰め物です。
本商品の詰め物は、ウレタンフォームを極力減らし、かつ、スプリングの真上に「綿(わた)+ネット」を採用しています。これはちょっと珍しいです。
綿(わた)とネットは、非常に柔軟性が高く、かつ、ポケットコイルが詰め物層に固定されていないため、ポケットコイルの動きがとても良いのです。
結果的に、ポケットコイルならではの「点」で支える寝心地による体圧分散性の高さや、寝姿勢保持性の良さという点が素晴らしく実現されています。
そして、肝心のポケットコイル(スプリング)は、一般的なものよりランクが上の「ピアノ線」を使用。
マットレスのスプリングには一般的に「硬鋼線」か「ピアノ線」が使用されます。この2つの線材の化学成分はよく似ていますが、ピアノ線は不純物において硬鋼線よりも厳しい規格が用いられ、また表面の傷の深さなど硬鋼線にはない規格でさらに厳しく管理されています。引張強度の規格も同じ線径で比較すると高く、より高品質で安心です。
要するに、ピアノ線は高品質(高級)です。そして、耐久性なども優れています。
なお、世の中のほどんどのポケットコイルマットレスは硬鋼線を使っています。
よって、ピアノ線(高級仕様)を使ったポケットコイルマットレスが4万円台で買えるということだけでも、コストパフォーマンスは高評価を付けられるでしょう。
本商品のメリット(まとめ) |
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本商品のデメリット(まとめ) |
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以下より詳しくご紹介します。
ビーナスベッド「国産ポケットコイルマットレス」の特徴・メリット
1. 高品質な「ポケットコイル」
本商品はクッション材にポケットコイルを使用した「ポケットコイルマットレス」です。
ポケットコイルは、スプリング(バネ)をひとつひとつ不織布で包んでいる構造をしています。
ひとつひとつのコイルが独立した動きができるため、振動が伝わりづらいことや、体のラインに細かくフィットすることで寝姿勢が整いやすく、体圧分散性も高いです。
「静かな寝心地」と評され、特に日本人はポケットコイルの寝心地が好きだと言われています。
ポケットコイルを詳しく解説本当におすすめのポケットコイルマットレス13選 | コスパ抜群モデルや人気メーカー商品もご紹介
ちなみに、【総評】でご紹介したとおり、本商品で使われているポケットコイルのバネは、高級素材のピアノ線を使用しています。
品質・耐久性が高いピアノ線を使ったポケットコイルマットレスが4万円台というのは素晴らしいコストパフォーマンスです。
2. 長持ちしやすい「両面仕様」
表面・裏面が同じ作りをしていて、どちらでも寝れる「両面仕様」となっています。
両面仕様は裏面でも寝れるため、上下に加えて表裏もローテーションできることがメリット。
ローテーションとは、マットレスの上下や表裏を定期的に回転さてマットレスの寝心地を長持ちさせる技でホテルなどの宿泊施設でも行われているポピュラーなメンテナンス方法です。
ちなみに、低価格マットレスは表面しか寝れない(裏面に詰め物が施されていない)「片面仕様」のことが多いです。
両面仕様はスプリングの下に詰め物があるため、スプリングにかかる荷重を分散できるため、長持ちしやすいことも魅力です。
3. 「抗菌綿入り」で衛生面◎
本商品の詰め物にある綿(ワタ)に、抗菌防臭加工が施されています。
体に近い場所に抗菌綿があることで、清潔な環境を維持しやすいと言えるでしょう。
なお、抗菌防臭とは主に動物や人間の皮脂や髪の毛なのどに存在する「黄色ブトウ球菌」の繁殖を抑える効果のことです。黄色ブドウ球菌は食中毒を引き起こす代表的な菌のひとつとして知られています。
マットレスの衛生強化仕様は2019年ごろからグッと増え始めた業界内のひとつのトレンドです。
4. 「ロングサイズ」が選べる
意外と見逃しがちなのですが、ロングサイズが選べることが貴重なメリットです。
ロングサイズとは縦幅が長いサイズのことで、本商品のロングサイズの縦幅は207cmです。
通常のマットレスの縦幅は195cmほどで、この長さは身長180cm程度までの人なら快適に眠れるのですが、それ以上の高身長の人の場合、マットレスから脚がはみ出してしまうことも。
つまり、身長180cm以上の人は、通常丈ではなくロングサイズ(ロング丈)のマットレスを選んだ方が快適に眠れるでしょう。
なお、一般的に流通しているマットレスはロングサイズの取扱いがかなり少ないです。しかも、キングサイズまでロング(キングロング)が選べる点も大きな魅力です。
本商品はロングサイズのマットレスの中で比較すると、かなりコストパフォーマンスが優れているので、特に高身長の方にはぜひおすすめしたいです。
【もっと知りたい人のために】ポケットコイルの仕様を解説(読み飛ばしてもOKです)
ポケットコイルの仕様は商品によって異なり、メーカー各社、販売ページでセールスポイントとして訴求していたりします。
細かい話なので、個人的には「そこまで気にしないでも良いかな?」と思うレベルですが、詳しく知りたい人のためにご紹介します。(よって、ご興味なければ読み飛ばしてOKです)
- 線種
- 密度(いくつコイルを使っているか)
- 配列(並行か交互か)
- 線径(バネの太さ)
本商品で使っているポケットコイルの仕様は以下の通りです。
▼ 本商品の仕様 | |
---|---|
線種 | SWRS-77B(ピアノ線) |
密度 | 496個 ※Sサイズ |
配列 | 並行配列 |
線径 | 1.9mm |
圧縮率 | 約15% ※当サイト調べ |
線種
線種とは、スプリング(バネ)自体の仕様・品質を現す「記号」のこと。
ポケットコイルのバネの仕様はメーカーや商品によって差があります。
1~3万円クラスのマットレスには「SWRH 72 B C(硬鋼線)」あたりの線種が使われることが多いのですが、本商品では、硬鋼線より高品質な「SWRS 77 B A(ピアノ線)」という線種を採用。
例えば上記のような「SWRH 72 B C」という表示は以下の通り解釈します。
表示例 | 意味 |
---|---|
SWRH | マットレスのコイルは基本的に硬鋼線(SWRH)を使用 ※本商品はピアノ線(SWRS)です |
72(反発性) | 数値が高くなればなるほど反発力が高い |
B(耐久性) | マンガン含有量(AよりもBが多く、耐久性がある) |
C(強度) | A<B<Cの順で強度が高い |
ちなみに、2017年に品質表示法の改正があり、線種などの表示義務はなくなりました。これは「バネの品質は実際の寝心地や耐久性を知るうえでそこまで重要な情報ではない」ということが示されたと言えます。
ただし、バネ自体が高品質であればそれだけ長持ちしやすいですし、シモンズやサータ等の有名メーカーもバネの品質には相当こだわりをもっているので、依然としてマットレスを選ぶ上で気に留めておくべきポイントとも考えられます。
密度
ポケットコイルマットレスにおける密度とは「コイルの量」のこと。
本商品の密度はシングルサイズあたり「496個」です。
メーカー各社でコイルの量(密度)をセールスポイントにすることが多いですが、密度のレベルの違いを大雑把にまとめると以下の通りです。
密度/S | 意味合い |
---|---|
300個台 | 低密度(耐久性が不安&バネ当たりも感じやすいので避けた方が良い) |
400~600個台 ★本商品 | 中密度(バネの動きが出やすく寝返りサポート性が得られる) |
600~1,000個 | 高密度(線径が細く、コイル高も高くなるので、ふんわりとした寝心地) |
1,000個以上 | 超高密度(ジェル的で静かな寝心地・バネを感じにくい) |
基本的にポケットコイルマットレスは、密度が低いほどコイルひとつあたりにかかる負荷が高くなるため、特に300個レベルの低密度タイプでは実用上の耐久性に支障が出る可能性も高くなります。
とはいえ高密度であるほど良いというわけではなく、耐久性としての適切な密度レベルは450個以上で、それ以上であれば耐久性に特に大きな差はなく(あとはバネの品質や生産加工レベル・詰め物など、密度以外の問題によって耐久性が決まります)、むしろ寝心地の差(跳ね感orフィット感、ソフトorハード)が生まれます。
本商品は496個/Sの密度に抑えて、ポケットコイルの動きをより感じられるように仕上げています。
配列(並行配列)
ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。
並行配列 | 交互配列 | |
---|---|---|
画像 | ||
硬さの傾向 | ソフト | ハード |
跳ね感 | 強い | 弱い |
特徴 | 寝返りがしやすい | 静かな寝心地 |
耐久性 | △ (部分的には弱め) | 〇 |
価格 | 安価に作りやすい | 高価になりやすい |
配列の違いもそのマットレスがどのような寝心地を目指しているか?で決められます。
本商品は並行配列を採用。
並行配列はバネの動きが出やすいため、寝返りのサポート性があり、豊かなクッション性を感じられます。本商品でもそのような特徴的な寝心地が感じられました。
なお、販売ページで「並行配列の方が隙間が多いので、通気性が良い」というアピールを見ることが多いですが、実用上では大きな差はないので気にしないで大丈夫です(交互配列だからと言って通気性が著しく悪いということはありません)。
線径(1.9mm)
線径とは「バネの太さ」のこと。
太いほど反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。
寝心地の目安としては以下の通りです。
線径と寝心地(目安)
- 線径1.9mm以下:しなやかな寝心地
- 線径2.0mm以上:しっかりとした寝心地
本商品の線径は1.9mmです。
よって、どちらかと言えばしなやかな寝心地が実現されています。
コイル高と圧縮率
「コイル高」は高くなるほどふんわりとした感触になり、「圧縮率」は高くなるほど耐久性にプラスに働きます。
本商品のコイル高は約14cm、スプリングの圧縮率は約15%(当サイト調べ)でした。
この仕様は、
- コイル高は「ふつう程度」
- 圧縮率は「低め」
と言え、結果的にクッション性はふつうで、耐久性にはプラス要素はありません。
読み飛ばしOKなのはここまで!
本商品のデメリット
1. 納期が少し遅い
受注生産&大型配送品のため、お届け時まで1週間ほどかかるのは少し不便と感じます。
また、大型配送便でしかお届けできないため、時間指定ができません。
2. 搬入しづらい
そのままのマットレスの大きさのまま梱包して届く「非圧縮タイプ」のため、ざっくり言えばマットレスの大きさ=お届け時のサイズとなります。
非圧縮(本商品) | 圧縮 |
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マットレスは長辺で2メートルほどにもなるため、搬入経路が狭い人はご注意ください。
3. 価格が少し高い
本商品は国産で4万円台から買えるマットレスとしては、品質面・寝心地面とも優れ、コストパフォーマンスは高いと考えます。
しかし、非圧縮タイプであるがゆえに、運送費や保管費など、マットレス本体以外に余計なコストがかかりやく、そうしたコストが商品の本体価格(定価)に転嫁されているという点はデメリットと言えるでしょう。
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【体験レビュー】ビーナスベッド「国産ポケットコイルマットレス」を実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
ビーナスベッドでは、開梱設置が無料なので、業者の方が部屋まで運んで、開封・梱包材の回収をしてくれます。
今回は梱包状態をレビューするため「玄関で受け取り」をお願いしました。
こちらはシングルです。
マットレス本体をシートで包んだシンプルな梱包です。
マットレスのビニールに入れられて、四隅は傷つかないように段ボールで保護されていました。
内側のビニールを取って開梱完了です。
わざわざ説明するまでもないほどシンプルな梱包です。
外観
圧縮タイプとは違い、開封直後から(当たり前ですが)完全なボリューム感があります。
マットレス自体は十分な厚みがあります。
厚さの公表値は20cmですが、詰め物のボリュームによって合計22cmほどが確認できました。
これはマットレスの中では比較的厚みがあるタイプと言えます。厚みがあるマットレスはその厚さだけで底付きを感じにくいというメリットがあります。
表面の生地は綿100%のサラサラとした触り心地です。
カバーが綿100%で作られているのは珍しいです。(だいたいポリエステルなどの化学繊維が多いです)
綿は吸湿性が高いので、睡眠中の湿気をうまく吸収してくれます。
硬めの感触で、伸縮性はかなり低めです。
生地のアップはこんな感じです。
かなり細かいキルティングです。
その理由は、詰め物が少ない(薄い)からです。
詰め物が少ない場合、キルティングを細かくし、立体感を作らないと、荷重がすぐに芯材(バネ)に到達してしまいます。
別の言い方をすると、「細かなキルティング=詰め物が少ないマットレス」という見分け方ができます。
品質表示はこちら。
この表示であるとおり、クイーンサイズとキングサイズは2分割になっているようですね。
本商品は表裏に詰め物を施している「両面仕様」です。
表面 | 裏面 |
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両面で寝ることができ、ローテーション(マットレスを入れ替えること)によって寝心地が長持ちしやすいことがメリットです。
内部構造
内部構造をチェックするために、一部解体してみます。
断面は上から、
- 生地(綿100%)
- 抗菌防臭わた
- ウレタン 20mm
- 不織布
- 綿(わた)
- ネット
- ポケットコイル(ここが真ん中)
- ネット
- 綿(わた)
- 不織布
- ウレタン 20mm
- 抗菌防臭わた
- 生地(綿100%)
という13層構造をしています。
詰め物層は、合計で約4cmほどの厚さがあります。
生地の真下にある綿です。ふんわりとやわらかい感触が気持ち良いです。
この綿は抗菌防臭が施されています。
更に下にはウレタンフォームがあります。
このウレタンフォームはごく一般的な硬さ・反発性のものです。
さらにその下には少し硬めの綿(わた)が入っています。
ポケットコイル上に綿(わた)があるのは、珍しい仕様です。
綿(わた)の下にはネットがあります。
なお、一般的なマットレスは、この部分はウレタンフォームや不織布が多いです。
いろいろ試してみてわかってきたのですが、この「綿+ネット」という仕様は、ポケットコイルの「点」で支える動きをダイレクトに感じやすい工夫のようです。
綿やネットは柔軟な素材なので、上の画像のとおり、荷重をかけると、ポケットコイルの形に変化し、点で支える動きがより高められます。
要するに本商品は「ポケットコイルならではの動き」が素直に感じやすいのです。
一方、マニアックな話ですが、低価格帯に多い「圧縮タイプ」のポケットコイルマットレスは詰め物とコイルを固定してマットレスの形を維持しなければならないため、接着剤が必須となります。
こうした商品は、しやかさに欠けるため、ポケットコイルならではの動きを感じにくいです。
一方、本商品のような非圧縮タイプの場合、枠線(外周のワイヤー)があるため接着剤で固定する必要がありません。
見た目も圧倒的にきれいですね。
基本的に接着剤がない(少ない)ほうが、ポケットコイルならではの動きが出やすいため、滑らかな体圧分散性や、寝返りサポート性を感じやすく、寝心地としては良いです。
あまり知られていませんが、この「ポケットコイルならではの動きを感じやすい」ことは、非圧縮タイプならではメリットです。※非圧縮でも接着剤で固定している商品もあります
ポケットコイルの高さは140mmほどでした。
コイル高140mmは一般的なポケットコイルマットレスと同じくらいです。なお、コイルは高さがあるほど、クッション性が高くなる傾向があります。
本商品は両面仕様のため、ポケットコイルを線対称にして詰め物が施されています。
コイルの下に詰め物があることで、コイルにかかる荷重の負担が軽減され、長持ちしやすいです。
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【詳細解説】このマットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価した以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ ビーナスベッド「国産ポケットコイルマットレス」の評価 | |
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総合評価 | 3.53 |
仰向き寝 | 4.5 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 3.5 |
通気性 | 3.5 |
寝返り | 3.5 |
底付きのなさ | 4.0 |
バネ当たりのなさ | 3.5 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 4.0 |
取り扱いやすさ | 2.0 |
価格 | 3.25 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「4.5」
沈み込んだらポケットコイルならではの点の動きにより、特に背中あたりの体圧分散の心地よさを感じました。
また、沈み込みすぎるわけでもなく、立っているような姿勢を保持(寝姿勢保持)してくれる点も素晴らしいです。
詰め物が少ないのにも関わらず、バネ当たりも感じませんでした。
反発性・弾力性があるような感触というよりは、なめらかでしなやかなフィット感が特徴的な寝心地だと感じました。
2. 横向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「3.5」
適度に沈み込むしなやなか寝心地のため、圧迫感を感じやすい肩あたりもそこまでストレスを感じませんでした。
しかしながら、カバーの伸縮性がないため、表面が少し突っ張るような感じはわずかにあります。もし気になったらパッドなどで調節すれば問題ありません。
フィット感があるので、寝姿勢安定性も良く、総合的に満足いく寝心地と言えます。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「3.5」。
反発性が高い詰め物を使っているわけではないので特別寝返りがしやすいというわけではありませんが、沈み込み過ぎない寝姿勢保持性があり、ポケットコイルの動きも良いため、寝返りのストレスは感じなかったです。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「3.5」
マットレスの外周にワイヤーがある構造のため、端部分が沈み込みにくい構造になっています。
端部分ギリギリで寝てもほとんど寝心地が変わらず、マットレス全面を贅沢に使えました。
しかしながら、コイルの線径1.9mm(しなやか・やわらか)という仕様にワイヤーがひっぱられるため、座った時には深めに沈み込みます。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。
評価は「3.5」
マットレス自体に特別な通気構造は備えていませんが、細かく立体的なキルティング&吸水性が良い綿100%の生地という仕様のため、特に蒸れなどは感じずに快適でした。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「4.0」
JIS基準の耐久テスト(8万回の押圧試験)などの結果は非公表ですが、ピアノ線・両面仕様という点を考えれば、8~10年程度は問題なく使えるのではないかと想定しています。
一方、懸念点は詰め物のヘタリです。
本商品の詰め物に使われているのは、ごく一般的なウレタンフォームと綿で、しかも薄いため、詰め物のヘタリによってバネ当たりなどが生まれやすい商品と言えます。(一般レベルのウレタンや綿はヘタリやすい素材です)
しかし、スプリングが高品質なため、もし詰め物がヘタってきたら、マットレストッパーなどを使用することで寝心地が復活しやすいでしょう。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「4.0」
本商品の詰め物には抗菌防臭加工の綿が使用されています。
なお、このレベルの機能綿は他の商品でも使われることが多い素材で、(相対的に)ものすごく抗菌レベルが高いものでありませんが、未加工の商品に比べれば衛生面は優れていると言えるでしょう。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「2.0」
本商品の重量は非公開ですが、筆者(30代・男性)の力では「重たいながらなんとか持ち運びは可能」なレベルです。
お届け時は、非圧縮(つまり、そのままの大きさ)なので、搬入経路に不安がある人にはおすすめできません。
捨てやすさについては、スプリングコイルを使用しているため、基本的には粗大ゴミとなるため、捨てにくいと言えます。
厚さは23cmほどなので市販のボックスシーツでも使いやすいでしょう。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントです。
評価は「3.25」
本商品の定価はシングルサイズで44,800円です。
国産・4万円台・本格仕様(高品質ポケットコイルの両面仕様)などを考えるとコストパフォーマンスは素晴らしいですが、とにかく低価格で探しているという人にとっては、価格が高く感じてしまうかもしれません。
また、価格を高めている主な原因は、非圧縮タイプならではの運送費のため、なんとなく『マットレス本体以外に余計なお金を支払うのはもったいない』と感じてしまう人もいるかもしれませんね。
10. 硬さは?
ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。
本商品は「少し硬め」くらいの寝心地です。
詰め物の表層は20mmのソフトウレタンフォーム+綿(ワタ)で構成されているため、体当たりは「やわらかめ」の仕様です。
そして沈み込むとしっかりめの綿(わた)とポケットコイルの感触が加わります。
ポケットコイルの線径1.9mm・6巻き・圧縮率15%という仕様はマットレスとしては「ふつう」ですが、詰め物が薄めで、よりスプリングコイルの感触を感じるため、結果的に「少し硬め」くらいになります。
主観的な硬さの評価としては10段階中(10が最も硬いとして)、6くらいの硬さだと感じました。
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ビーナスベッドはどこで買うのがお得?
本商品は公式サイトか、楽天市場店・Yahoo!ショッピングなどのモール店舗での購入が可能です。※Amazonはありません
キャンペーンの内容などが違う場合があるので、念のためすべての店舗をチェックするのがおすすめですが、公式サイトがよりお得な条件で買える傾向があるようです。
似ている商品との比較
本商品と同様の「非圧縮タイプの国産ポケットコイルマットレス」を比較してみます。
メーカー/モデル | ①ビーナスベッド/国産ポケットコイルマットレス | ②源ベッド/夜香クラシック | ③日本ベッド/シルキーポケット |
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画像 | |||
コイル数 (Sサイズ) | 496個 | 504個 | 1,200個 |
配列 | 並行 | 交互 | |
硬さ | レギュラー | レギュラー・ハード | ソフト・レギュラー・ハード |
線種 | ピアノ線 | 硬鋼線 (82 B C種) | 不明 |
衛生面 | 抗菌防臭 | 抗菌防臭 防ダニ | 抗菌防臭 |
両面仕様 | 〇 | ||
保証期間 | 商品到着7日以内 ※未開封に限る | 1年 (公式サイトは3年) | 2年 |
サイズ | セミシングル~キング | セミシングル~ワイドダブル | セミシングル~キング |
ロングサイズ | 〇 (207cm) | 〇 (210cm) | × |
価格 (Sサイズ) | 44,800円 | 44,900円 | 176,000円 |
リンク | 公式サイト | 公式サイト | 販売サイト |
比較商品②源ベッド「夜香クラシック」の特徴は?
源ベッドは広島県にある国産ベッドメーカー。価格や仕様的にビーナスベッドに最も近いです。
スプリングの線種はピアノ線ではなく、硬鋼線ですが、国内最高クラス(JIS規格)&圧縮率34%(ビーナスベッドは約15%)というスペックのため、耐久性などはほぼ変わらないでしょう。
チップウレタン×交互配列ポケットコイルという仕様のため、沈み込みが少なく、ビーナスベッドよりも硬くしっかりとした寝心地。特に仰向きで寝る人におすすめです。
比較商品③日本ベッド「シルキーポケット」とは?
老舗マットレスメーカー「日本ベッド」の基幹マットレス。
日本ベッドのシルキーポケットといえば、高級旅館やホテルなどの業界内でもファンが多く、赤坂迎賓館・星のや軽井沢・帝国ホテルなどの有名施設への納入実績も豊富です。
超高密度タイプのポケットコイルが特徴で、なんとポケットコイル同士を接着剤を使わずに配列するという職人技で仕上げられています。
実際の寝心地は、ジェル的なフィット感がありつつ、しっかりと寝返りも打ちやすく、沈み込んだらグッと押し返すという完ぺきなバランス感覚といっていいほどの出来栄えで、「選んで間違いないマットレスのひとつ」と自信を持っておすすめできる逸品です。
ただし、シングルサイズで約18万円(高額)という点がデメリット。
硬さが3種類(ソフト・レギュラー・ハード)から選べますが、レギュラーで少し硬めくらいの寝心地です。
【厳選】このマットレスと併せて買いたいベッドフレーム 2選
本商品はやや厚みがあり、重量もある商品なので立ち座りしやすく、耐久性があるベッドフレームがおすすめです。さらにロングサイズが選べる商品を厳選しました。
1. ビーナスベッド「カルディナ」
ビーナスベッド公式フレーム
ビーナスベッドの中でも特に売れ筋のベッドフレーム。本商品(国産ポケットコイルマットレス)とセット購入が可能です。セット購入は、マットレスとフレームとの相性が確かめられているため、失敗することがなくおすすめです。
高級木材ウォールナット(突板)を使用し、低価格ですが高級感があります。ヘッドボードは曲線があり、背もたれに適していて、ベッドの上でリラックスした時間を過ごせるでしょう。
ベッドの脚は継脚仕様なので、2段階の高さ調節が可能です。フットボードは面取り加工され、やさしい丸みがあるので、小さいお子様がいるご家庭にも安心です。
サイズ | シングル~クイーン |
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素材 | 天然木ウォールナット突板 |
価格 | 5万円台~ |
2. neruco「北欧風シンプルすのこベッド Banon」
低価格でも頑丈
ベッド専門店「neruco」のオリジナルすのこベッド。フレームに極太の板を補強した耐荷重350kgの強靭な耐久性が特徴で、きしみや揺れの心配がなく、安心して眠れます。
4段階の高さ調節ができるので自分の好きな高さで使えます。さらにパーツが少なく組み立ても簡単です。サイズバリエーションが豊富で、ロングサイズも選べる点もメリット。※Banonのロングサイズは210cmなので、少しだけフレームの方が大きくなります
本記事で実際に合わせて試したところ、特に使用上の問題が見られなかったため、おすすめ商品としてご紹介します。
サイズ | セミシングル~キング (ロングサイズあり) |
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カラー | ナチュラル、ブラウン、ホワイト |
価格 (Sサイズ) | 16,990円 |
このマットレスの廃棄方法は?
スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。
参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。
まとめ
いかがでしたか。
ビーナスベッド「オリジナル国産ポケットコイルマットレス」をご紹介しました。
累計販売数61,000本(2021年1月時点)を超えるロングセラー商品です。
よい意味で昔ながらの王道なポケットコイルマットレスで、スプリングの動きの良さが魅力です。
ポケットコイルならではの「点」で支える動きが良く、体圧分散・寝姿勢保持のバランスが素晴らしく感じました。
非圧縮タイプなので、配送面のデメリット(納期が1週間くらい・時間指定できない・搬入経路に注意が必要など)がありますが、それが許容できる人ならぜひおすすめしたい逸品です。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。