捨てやすい!画期的な分解構造
この記事では源ベッドの「夜香スタンダード」についてご紹介します。
なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
目次
夜香スタンダード(日本製ポケットコイルマットレス)の基本情報
メーカー | 源ベッド(株式会社チヨダコーポレーション) |
---|---|
サイズ | シングル~ダブル |
クッション材 | ポケットコイル ※圧縮梱包 |
カラー | ホワイト |
価格 | 27,900円~ |
保証期間 | 1年(公式サイトのみ3年) |
夜香(やこう)の種類
「夜香(やこう)」とは、源ベッドの主力マットレスシリーズ。ラインアップは以下のとおりです。
モデル | スタンダード | ハイグレード | プレミアム | クラシック |
---|---|---|---|---|
画像 | ||||
梱包 | 圧縮 | 非圧縮 | ||
価格 (Sサイズ) | 27,900円 | 30,900円 | 36,900円 | 44,900円 |
本商品(夜香スタンダード)は、シリーズ中「最安値エントリーモデル」という位置づけです。
他のシリーズの詳しい違いはこの記事の後半でまとめています。
メーカーの「源ベッド」とは
源(みなもと)ベッドは、広島県の老舗ベッドメーカー「チヨダコーポレーション」のオリジナルブランドです。
バネから自社工場で作り上げる国産ポケットコイルマットレスが強みで、圧縮タイプも展開することで、最安2万円台から買えるコストパフォーマンスの高さが魅力です。
必ずしも「国産=良い物」とは限りませんが、一般的には海外製よりも日本製のほうが工場のマネジメントが行き届き、高品質な製品が出来やすい傾向があります。
【まず結論】このマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネ当たりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ 夜香スタンダードの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.61 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 3.0 |
端の沈み込み | 3.5 |
通気性 | 4.0 |
寝返り | 3.5 |
底付きのなさ | 3.5 |
バネ当たりのなさ | 3.5 |
耐久性 | 3.5 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 4.0 |
価格 | 3.76 |
硬さ | やや硬め |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
【総評】画期的!捨てやすいから学生・新社会人に特におすすめ
夜香スタンダードの最大の特徴は、特許技術の「簡単分解構造」による捨てやすさです。
本商品は、芯材にポケットコイルを搭載した「スプリングコイルマットレス」です。
一般的なスプリングコイルマットレスは、構造的に分解しづらく、最近では粗大ごみでも回収できない自治体も増えてきました。
回収できない場合、自分で分解し、焼却施設に持ち込む必要があるのですが、スプリングコイルマットレスを家庭で分解するのは非常に難しい作業です。
そこで、夜香スタンダードでは、特殊な縫製と、ポケットコイルにミシン目を入れる特許技術などの組み合わせにより、スプリングコイルなのに簡単に分解できる仕様を開発しました。
特殊な縫製 | ミシン目(特許技術) |
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実際に体験しましたが、問題なく分解でき、素晴らしい構造だと感じました。
さらに、本商品は源ベッドの国産ポケットコイルマットレスシリーズ(夜香)の最安値グレードで、2万円台から買えます。
よって、学生や新社会人など『そこまで長期間使うことを考えていないが、寝心地が良いマットレスを探している』という人に最適と言えるでしょう。
肝心の寝心地は、源ベッドらしい「高品質でしっかりとした寝心地」がきちんと実現されているので、手軽さと寝心地の両方が手に入るマットレスです。
夜香スタンダードの特徴・メリット
1. 高品質な「ポケットコイル」
本商品はクッション材にポケットコイルを使用した「ポケットコイルマットレス」です。
ポケットコイルは、スプリング(バネ)をひとつひとつ不織布で包んでいる構造をしています。
ひとつひとつのコイルが独立した動きができるため、振動が伝わりづらいことや、体のラインに細かくフィットすることで寝姿勢が整いやすく、体圧分散性も高いです。
「静かな寝心地」と評され、特に日本人はポケットコイルの寝心地が好きだと言われています。
ポケットコイルを詳しく解説本当におすすめのポケットコイルマットレス13選 | コスパ抜群モデルや人気メーカー商品もご紹介
ちなみに、本商品で使われているポケットコイルのバネ(硬鋼線)は、国内最高レベルの素材を使用しています。
さらに特筆すべきは、このバネから国内の自社工場で作り上げているという徹底ぶりです。(一般的には中国製が多いところ、低価格モデルにも関わらず日本製は貴重です)
この価格帯(2万円台)で国内でバネから作るマットレスメーカーは源ベッドくらいです。それほど貴重な存在なのです。
2. 特許技術「簡単分解構造」
夜香スタンダードの最大の特徴とも言えるのが、簡単に分解できること。(他の夜香シリーズは分解できません)
分解することで、自治体によっては家庭ごみとして捨てることも可能です。
なお、ここまで簡単に分解できるポケットコイルマットレスは、全メーカー探しても存在しません。
というのも、分解する工夫のひとつの「ポケットコイルのミシン目」が源ベッドの特許技術だからです。
上の画像のとおり、ミシン目を引っ張ることで、プチプチと切れ、簡単にポケット(不織布)とバネを分離できるのです。
なお、シングルサイズの場合、45リットルのごみ袋8個に収まりました。
こうして細かく分解できるため、ゴミ捨て場や焼却場に自分で持っていくのも簡単ですね。車にも積みやすいです。
分解のやり方はこの記事の後半で詳しくご紹介します。
3. 安い
夜香スタンダードは、源ベッドの国産ポケットコイルマットレスシリーズの最安グレードで、価格はシングルサイズで「27,900円」です。
一般的にはもっと安いポケットコイルマットレスはありますが、そうした商品はほぼ海外(中国)製です。
一方、夜香スタンダードは、自社の国内工場でバネから作り上げています。
『できるだけ安く、でも国産品が良い』という人にぴったりなモデルと言えます。
同条件で考えた場合、すべてのメーカーの中でも、最安値レベルです。
【もっと知りたい人のために】ポケットコイルの仕様を解説(読み飛ばしてもOKです)
ポケットコイルの仕様は商品によって異なり、メーカー各社、販売ページでセールスポイントとして訴求していたりします。
細かい話なので、個人的には「そこまで気にしないでも良いかな?」と思うレベルですが、詳しく知りたい人のためにご紹介します。(よって、ご興味なければ読み飛ばしてOKです)
- 線種
- 密度(いくつコイルを使っているか)
- 配列(並行か交互か)
- 線径(バネの太さ)
- 圧縮率
本商品で使っているポケットコイルの仕様は以下の通りです。
▼ 本商品の仕様 | |
---|---|
線種 | SWRH 82 B C種 |
密度 | 465個 ※Sサイズ |
配列 | 並行配列 |
線径 | 2.1mm |
圧縮率 | 34% |
線種
線種とは、スプリング(バネ)自体の仕様・品質を現す「記号」のこと。
ポケットコイルのバネは硬鋼線(こうこうせん)と呼ばれる素材で作られ、その仕様はメーカーや商品によって差があります。
1~3万円クラスのマットレスには「SWRH 72 B C」あたりの線種が使われることが多いのですが、本商品ではJIS基準最高クラスの硬鋼線「SWRH 82 B C種」という線種を採用。
例えば上記のような「SWRH 72 B C」という表示は以下の通り解釈します。
表示例 | 意味 |
---|---|
SWRH | マットレスのコイルは基本的に硬鋼線(SWRH)を使用 |
72(反発性) | 数値が高くなればなるほど反発力が高い |
B(耐久性) | マンガン含有量(AよりもBが多く、耐久性がある) |
C(強度) | A<B<Cの順で強度が高い |
ちなみに、2017年に品質表示法の改正があり、線種などの表示義務はなくなりました。これは「バネの品質は実際の寝心地や耐久性を知るうえでそこまで重要な情報ではない」ということが示されたと言えます。
ただし、バネ自体が高品質であればそれだけ長持ちしやすいですし、シモンズやサータ等の有名メーカーもバネの品質には相当こだわりをもっているので、依然としてマットレスを選ぶ上で気に留めておくべきポイントとも考えられます。
そうした意味で、夜香スタンダードは2万円台から買える格安マットレスなのに日本最高クラスの硬鋼線を使用しているというのはメリットのひとつと言えるでしょう。
密度
ポケットコイルマットレスにおける密度とは「コイルの量」です。
メーカー各社でコイルの量(密度)をセールスポイントにすることが多いですが、密度のレベルの違いを大雑把にまとめると以下の通りです。
密度 | 意味合い |
---|---|
300個台 | 低密度(耐久性が不安&バネ当たりも感じやすいので避けた方が良い) |
400~600個台 ★本商品 | 中密度(バネの動きが出やすく寝返りサポート性が得られる) |
600~1,000個 | 高密度(線径が細く、コイル高も高くなるので、ふんわりとした寝心地) |
1,000個以上 | 超高密度(ジェル的で静かな寝心地・バネを感じにくい) |
基本的にポケットコイルマットレスは、密度が低いほどコイルひとつあたりにかかる負荷が高くなるため、特に300個レベルの低密度タイプでは実用上の耐久性に支障が出る可能性も高くなります。
とはいえ高密度であるほど良いというわけではなく、耐久性としての適切な密度レベルは450個以上で、それ以上であれば耐久性に大きな差はなく(バネの品質や生産加工レベル・詰め物など、密度以外の問題によって耐久性が決まります)、むしろ寝心地の差(跳ね感orフィット感、ソフトorハード)が生まれます。
夜香スタンダードは465個/Sの密度に抑えて、ポケットコイルの動きをより感じられるように仕上げています。
配列(並行配列)
ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。
並行配列 | 交互配列 | |
---|---|---|
画像 | ||
硬さの傾向 | ソフト | ハード |
跳ね感 | 強い | 弱い |
特徴 | 寝返りしやすい | 静かな寝心地 |
耐久性 | △ (部分的には弱め) | 〇 |
価格 | 安価に作りやすい | 高価になりやすい |
配列の違いもそのマットレスが「どのような寝心地を目指しているか?」で決められます。
本商品は並行配列を採用。
並行配列はバネの動きが出やすいため、寝返りのサポート性があり、豊かなクッション性を感じられます。本商品でもそのような特徴的な寝心地が感じられました。
なお、販売ページで「並行配列の方が隙間が多いので、通気性が良い」というアピールを見ることが多いですが、実用上では大きな差はないので気にしないで大丈夫です(交互配列だからと言って通気性が著しく悪いということはありません)。
線径(2.1mm)
線径とは「バネの太さ」のこと。
太いほど反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。
寝心地の目安としては以下の通りです。
線径と寝心地(目安)
- 線径1.9mm以下:しなやかな寝心地
- 線径2.0mm以上:しっかりとした寝心地
夜香スタンダードの線径は「2.1mm」。よって、沈み込むとしっかりと体を支えてくれる寝心地です。
コイル高と圧縮率
「コイル高」は高くなるほどふんわりとした感触になり、「圧縮率」は高くなるほど耐久性にプラスに働きます。
本商品のコイル高は約15cm、スプリングの圧縮率は約34%です。
この仕様は、
- コイル高は「ふつう程度」
- 圧縮率は「高め」
です。
圧縮率が一般的なポケットコイルよりもかなり高く、耐久性が特に高い仕様とお考えください。
読み飛ばしOKなのはここまで!
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夜香スタンダードのデメリット
1. 片面仕様
源ベッドのエントリーモデルのため、裏面に詰め物がない「片面仕様」です。
片面仕様は両面仕様に比べて、「表裏のローテーションNG」「荷重分散性が低い」という点で、耐久性が劣ります。
とはいえ、夜香スタンダードで使用しているポケットコイルは耐久性が高いので、あまり気にしないでも良いでしょう。
より耐久性が高いモデルが良い場合は、上位グレードの「夜香ハイグレード」がおすすめです。
2. 海外製に比べると安くはない
シングルサイズで27,900円という価格は、国産ポケットコイルマットレスとしては、最安値レベルです。この条件で考えるとコスパの高さは間違いなしです。
ただし、他メーカーの海外製(主に中国製)の格安ポケットコイルマットレスと比べると、価格はやや高めです。
なお、海外製の場合、最安値レベルは1万円以下です。
とはいえ、1万円以下のポケットコイルマットレスは、耐久性や寝心地に問題(デメリット)がある商品が多いため、当サイトとしては、どんなに安くても1万円以上の商品をおすすめしています。
とにかく安いマットレスをお探しの人は以下の記事をご参考ください(1万円台を中心におすすめ商品をご紹介しています)。
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【体験レビュー】源ベッド「夜香スタンダード」を実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルです。
圧縮され、ロール状になって入っています。
中身はマットレス本体と取扱説明書(保証書)の2点です。
通常保証は1年ですが、公式サイトで購入すると3年保証となります。
重さは20kg(シングル)なので、力の弱い人は運ぶのが大変かもしれません。
マットレスを開けていきます。
まずはマットレスを巻いているビニールを剥がしていきます。
軽い力で簡単にペリペリとめくれます。
ビニールをめくり終わるとロール状に巻かれていたマットレスが解かれていきます。
開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
上の動画のとおり、ビニールにハサミを入れると膨張が始まり、元の形への復元されます。
外観
開封直後でも比較的しっかりと復元され、すぐにでも使えます。
説明書には「約1日で本来の形に復元します」とのことでしたので、2日経過した状態を比較したアニメーションを作りました。
このとおり、詰め物のボリューム感も完全に復元されます。公式サイトによると「受注生産品なので、復元も早い」とのことです。
キルティングはダイヤ型のデザインです。
表面の生地はポリエステル100%を使用。しなやかでやわらかな触り心地です。
なお、こちらの生地も日本製です。
生地のアップはこんな感じです。
ニット生地なので、伸縮性が高いです。
伸縮性が高い生地は、フィット感と寝返りのサポート性が高まります。
生地の下にはウレタンフォーム(詰め物)があり、ふっくらした感触が楽しめます。
源ベッドのラベルが付いてます。
このラベルはシールになっていて簡単に剥がせます。
厚さはごく一般的です。
公表値どおり約18cmの厚さが確認できました。
このくらい厚さがあるマットレスは底付きを感じにくいです。
本商品は表面のみに寝られる「片面仕様」です。※裏面には詰め物がありません
表面 | 裏面 |
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内部構造
内部構造をチェックするために、一部解体してみます。
ポケットコイルの上には詰め物が施されています。
上から、
- ニット生地
- ウレタン 9mm
- 不織布
- ウレタン 20mm
- 不織布
- ポケットコイル
- 不織布
- フェルト
- ポンジ生地(ポリエステル)
という9層構造です。
詰め物は約3cmほどなので、比較的「詰め物が少ないタイプ」です。
生地の真下には9mmのウレタンフォームがあります。
その下には20mmのウレタンフォームがある「2層ウレタン構造」です。
このウレタンフォームは国内で生産された高密度仕様のものを採用しています。
低価格帯のマットレスの詰め物は、海外製の低密度ウレタンフォームが多いですが、目立たない場所でもしっかりと良い素材を使っていることが素晴らしいです。
ポケットコイルマットレスは、スプリングよりも詰め物が圧倒的に早くヘタるため、詰め物の仕様は大切。しかし、詰め物はあまり注目されないため見逃がしがちです。
よって、本商品のような詰め物の仕様にもこだわったマットレスを選ぶのがおすすめです。
ポケットコイルの高さは145mmほどでした。
コイル高145mmは一般的なポケットコイルマットレスと同じくらいです。
なお、コイルは高さがあるほど、クッション性が高くなる傾向があります。
ポケットコイルの下には、厚手のフェルトがあります。
厚手のフェルトを入れることで、スプリングにかかる負荷を軽減しています。
なお、低価格帯のポケットコイルマットレスでは、裏面の仕様を手抜きしている場合もあるので注意が必要です。
同じ「片面仕様」でも作りが全然違うこともあります。
特に裏面の仕様などは見逃しがちなので、注意しましょう。(夜香スタンダードは安心な仕様です)
分解ステップ
夜香スタンダードの最大の特徴である「簡単分解構造」を詳しくご紹介します。
実際にやってみたのでご参考くださいね。
まず、マットレスをベッドフレームから外します。
分解のスタートは、表面のフチ(パイピング)を縫っている糸です。
なお、切り始める場所は、フチ(パイピング)が1周し、重ねて縫い合わされている場所です。※以下参考
この糸をハサミで切ります。(上下どちらでもOK)
すると、糸がほつれます。(下の画像はわかりやすく少し引っ張っています)
ほつれた糸とピーっと引っ張ると、縫い合わせてある糸がプチプチ切れていきます。
マットレスの外周をひとまわりして糸を切ると、フチ(パイピング)が外れます。
フチ(パイピング)を外した状態がこちら。
続いて、表生地(詰め物)を剥がします。
ポケットコイルの上のウレタンフォーム(20mm)を引っ張ると、接着剤で軽く固定されていた詰め物が剥がれます。
アップはこんな感じです。
生地(詰め物)が完全に剥がれます。
続いて、裏返します。
裏面カバーを取ります。
裏面のカバーを取ると、フェルトが付いた状態のマットレスになります。
フェルトを不織布から剥がします。
本来はフェルトだけがきれいに剥がれるそうなのですが、状態によって、不織布ごと剥がれるようです。ですが、問題はありません。
フェルトを剥がしました。
ポケットコイルの配列(縦方向)に沿って、残った不織布をハサミで切ります。
続いて、ポケットコイルをバネとポケット(不織布)に分解する作業です。
ポケットコイルにはミシン目が入っています。
このミシン目にハサミで切り込みを入れます。
切り込みを引っ張ると、ブチブチと不織布(ポケット)が切れていきます。なお、バネの先端は鋭いので、必ず手袋をして作業してください。
ミシン目の切れる様子の拡大画像はこちら。
すでにご紹介したとおり、この「ミシン目」は、源ベッドの特許技術なので、他のメーカーには真似できません。
ミシン目を引っ張るのは縦方向なので、マットレス短辺(ヘッドorフット)の端1列のポケットコイルに切り込みを入れます。
あとはひたすら引っ張っていきます。
こんな感じです。
時々、不織布(ポケット)がちぎれたりするので、そうした場合は再度ハサミで切って作業を進めます。
1列あたり2~3分ほどで剥がせるので、シングルサイズ(15列)の場合、30~45分ほどの作業時間となります。
中腰で引っ張り続けるため、「すごく楽!」とは言いづらいですが、休憩をはさんだりして無理せずやればストレスは感じないと思います。
すべて剥がし終わったら、不織布(ポケット)からバネを抜きます。
バネを抜いた状態(不織布の集合体)です。
それぞれの生地を折りたたんだり、バネを小分けにして、ゴミ袋に入れます。
シングルサイズで45リットルのゴミ袋8個分ほどに収まりました。
あの大きなマットレスが、こんなにコンパクトに分解できました。
これだけコンパクトだと自分でゴミ捨て場や焼却施設に持ち込むこともすごく簡単ですね。
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【詳細解説】このマットレスの評価について
この記事の冒頭で評価した以下のポイントを詳しくご紹介します。
▼ 夜香スタンダードの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.61 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 3.0 |
端の沈み込み | 3.5 |
通気性 | 4.0 |
寝返り | 3.5 |
底付きのなさ | 3.5 |
バネ当たりのなさ | 3.5 |
耐久性 | 3.5 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 4.0 |
価格 | 3.76 |
硬さ | やや硬め |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「4.0」。
源ベッドらしい、しっかりとした寝心地で、体をグッと支えてくれるので、変な沈み込みはなく、寝姿勢保持性が良いです。
詰め物の量は少なめですが、バネ当たりや底付きもなく、仰向きでの寝心地は快適です。
2. 横向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「3.0」。
やはり、詰め物が少なく、線径2.1mm(しっかりめ)という仕様のため、沈み込みが深い肩や腰あたりは少しだけ圧迫感を感じます。
とはいえ、バネ当たりなどはないので、気になったら厚手のパッドやシーツで調節すれば問題ないレベルです。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、逆に寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「3.5」。
反発性が高い詰め物を使っているわけではありませんが、並行配列ならではのスプリングの動きの良さを感じやすく、寝返りはしやすかったです。ほどよい反発性・サポート性といった感じです。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「3.5」。
外周を強化した仕様ではありませんが、線径2.1mm×詰め物が少ない仕様のため、端でも沈み込みづらかったです。
なお、上位グレードの「ハイグレード」「プレミアム」は線径2.2mmの外周強化(エッジハード)仕様なので、端の沈み込みづらさは上です。
スタンダード(本商品) | ハイグレード |
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マットレス全面を優雅に使いたい人は、上位グレード(ハイグレードとプレミアム)をご検討ください。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。
評価は「4.0」。
側面生地が「メッシュ生地」のため、通気性は良いです。
基本的にポケットコイルマットレスは側面方向へ通気するので、側面の仕様がマットレス全体の通気性に影響します。
メッシュ生地は数ある生地の中でも最も通気性が高いタイプなので、蒸れにくい仕様です。
実際に寝た印象でも、蒸れは気になりませんでした。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「3.5」。
本商品は、JIS基準の耐久テスト(8万回の押圧試験)に合格しています。
ただし、片面仕様で、表裏のローテーションができないという点が耐久性としてはマイナス評価です。
しかしながら、JIS最高レベル硬鋼線を使った高品質スプリングということを考えれば8年程度は問題なく使えるのではないかと想定しています。
さらに、ポケットコイルの圧縮率が高いため、一般的なモデルよりも高い耐久性が期待できます。
なお、保証期間は1年(公式サイトでの購入は3年)です。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「3.0」。
生地や素材に衛生加工(抗菌防臭や防ダニ等)はされていません。
とはいえ、衛生加工があるマットレスの方が少ないので、評価値としては「3.0(ふつう)」です。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びのしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「4.0」。
本商品の重量はシングルサイズで20kgです。筆者(30代・男性)の力では「重たいながらなんとか持ち運びは可能」なレベルです。
スプリングコイルマットレス自体、そこまで取り扱いやすいタイプではありませんが、本商品は特許技術による「簡単分解構造」を備えているため、捨てやすさについては大きく評価したいです。(スプリングコイルでこれだけ捨てやすいベッドマットレスはありません)
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで総合評価値につながります。
評価は「3.76」。
本商品の価格はシングルサイズで27,900円です。
マットレス市場全体から考えると、1万円台以下で買える低価格な商品は多く存在しますが、そうした格安商品の多くは中国製の片面仕様です。
本商品は国産・分解可能で2万円台ということを考えるとコストパフォーマンスが良く、寝心地・品質面も優れているため「かなりお買い得」と言えるでしょう。
10. 硬さは?
ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。
本商品は硬さは「少し硬め」くらいの寝心地です。
詰め物は計30mmのソフトウレタンフォーム+綿(ワタ)で構成されているため、体当たりは「やや柔らかめ」の仕様です。
しかし、体の沈み込みはポケットコイル層にも到達するため、ポケットコイルの仕様に硬さが大きく影響します。
ポケットコイルの線径2.1mm・6.5巻き・圧縮率34%という仕様は「硬め」ですが、ふつう程度の密度×並行配列という仕様なので、結果的に「少し硬め」くらいになります。
よって、このマットレスの硬さの表現としては「体当たりはやわらかく、沈み込んだらしっかりとした硬さとグッと押し返す反発力を感じる」といった具合です。
これはマットレスとして理想的な寝心地と言えます。
主観的な硬さの評価としては10段階中(10が最も硬いとして)「7.5くらい」の硬さだと思いました。
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夜香(やこう)シリーズの違いは?
源ベッドの主力マットレスシリーズ「夜香(やこう)」には、以下のモデルがあります。
- スタンダード (本商品)
- ハイグレード
- プレミアム
- クラシック
※ハイグレードとプレミアムのみ、高衛生仕様の「デオファクター」も選べます
それぞれの違いは以下のとおりです。
モデル | スタンダード | ハイグレード | プレミアム | クラシック |
---|---|---|---|---|
画像 | ||||
梱包 | 圧縮 | 非圧縮 | ||
厚さ | 18cm | 23cm | 26cm | 23cm |
仕様 | 片面 | 両面 | ||
分解 | 〇 | × | ||
配列 | 並行 | 交互 | ||
コイル数 | 465個 | 504個 | ||
詰め物 | ウレタン | プロファイルウレタン | ウレタン | |
抗菌防臭 | × | 〇(マイティトップⅡ) | ||
防ダニ | ||||
硬さ | レギュラー | ソフト・レギュラー・ハード | レギュラー | レギュラー・ハード |
外周強化 | × | 〇 | × | |
枠線 | × | 〇 | ||
納期 | 最短2~3日 | 約2週間 | ||
日時指定 | 〇 | × | ||
サイズ | S~D | SS~WD ※ショートあり | S~WD | SS~WD ※ロングあり |
価格 | 27,900円 | 30,900円 | 36,900円 | 44,900円 |
リンク① | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
リンク② | ※本記事 | レビュー記事 | レビュー記事 | レビュー記事 |
※コイル数、価格はシングルサイズの場合で表記
選び方のコツ「ハイグレードを基準に考えよう」
本商品(スタンダード)は入門編的な位置づけで、実はハイグレードがスタンダード(標準)的なモデルとなっています。
これは、近年の送料の高騰を受け「従来の売れ筋マットレス(クラシック)を圧縮梱包にして低価格化しよう」というのがハイグレードを作ったきっかけだからです。
要するにこんな感じです。
そして圧縮梱包においては、ハイグレードを基準として、片面仕様&詰め物のダウングレードをさせたのが「スタンダード」、逆に詰め物をアップグレード(プロファイルウレタンに)したのが「プレミアム」という関係性なのです。
それぞれの体験レビュー記事も作成しているので、ご参考くださいね。
どれがおすすめ?
すべて体験しましたが、どのマットレスも寝心地は良く、自信をもっておすすめできます。
ただし、好みがあるので、「こんな人にはこのモデルが合う」という点を以下に整理しました。
モデル | こんな人におすすめ |
---|---|
スタンダード | とにかく価格重視。唯一の「簡単分解構造」のため、あまり長期間で使用することを想定していない人(学生さんや新社会人など)。 |
ハイグレード | コスパを重視する人。硬さが3つあるので、自分の好きな寝心地を選びたい人。小柄な人(唯一ショートサイズあり)。 |
プレミアム | ふんわりとリッチな寝心地を得たい人。高級ホテルのような寝心地が好きな人。 |
クラシック | しっかりとしたマットレスが欲しい人。圧縮に抵抗がある人(親御さんへのプレゼントなど)。背が高い人(唯一ロングサイズあり)。 |
ちなみに、当サイトでの総合得点としてはハイグレード(3.87)が一番上です。
なお、この得点は他のメーカーの商品を含めたすべてのマットレスの中で最高得点となります。
似ている商品との比較
夜香スタンダードの「2万円台から買える格安の国産ポケットコイルマットレス」という条件は、競合となる他メーカー製の比較商品は見当たりません。
それだけ突き抜けたコストパフォーマンスの良さと言えます。
比較するのであれば、同じく源ベッドの「夜香ハイグレード」が仕様・寝心地とも、最も近い(似ている)モデルです。
夜香ハイグレードとの違いは?
違いをまとめると以下のとおりです。
モデル | スタンダード | ハイグレード |
---|---|---|
画像 | ||
厚さ | 18cm | 23cm |
仕様 | 片面仕様 | 両面仕様 |
ウレタン | 29mm | 35mm |
抗菌防臭・防ダニ | × | 〇(マイティトップⅡ) |
外周強化 | × | 〇(2.2mm) |
サイズ | S~D | SS~WD |
ショート丈 | × | 〇 |
硬さ | レギュラー | ソフト・レギュラー・ハード |
カラー | ホワイト | ホワイト・ブラック |
簡単分解構造 | 〇 | × |
価格 (Sサイズ) | 27,900円 | 30,900円 |
寝心地としては、ハイグレードの方が詰め物のウレタン6mm厚く、さらに抗菌防臭綿(マイティトップⅡ)を搭載しているため、より体圧分散性が高く、仰向き・横向きのバランス感が良い寝心地です。
さらに、両面仕様に加え、外周強化(エッジハード)があり、サイズバリエーションも豊富。
なお、ハイグレードは源ベッドの中で最も人気なモデルだけあって、隙のない構成となっています。
ただし、簡単分解構造は採用されていません。
価格差はシングルサイズで3,000円なので、仕様面にこだわるか(ハイグレード)、取り扱いやすさにこだわるか(スタンダード)を含め、ご検討いただければと思います。
源ベッドはどこで買うのがお得?
源ベッドの商品は公式サイトか、楽天市場店・Amazon・Yahoo!ショッピングなどのモール店舗での購入が可能です。
おすすめは公式サイトです。
公式サイトのみ保証期間が3年に延長されます(他のモール店舗は通常の1年保証です)。
マットレスは長い間使い続けるものですので、できるだけ長い保証が付いている方が安心です。
【厳選】このマットレスと併せて買いたいベッドフレーム 2選
1. 国産ひのきすのこベッド「tcb233」 (源ベッド)
源ベッドのオリジナルベッド
源ベッドの中でも特に売れ筋のベッドフレーム。本商品(夜香スタンダード)とセット購入が可能です。セット購入は、マットレスとフレームとの相性が確かめられているため、失敗することがなくおすすめです。
国産のひのき材を贅沢に使用した源ベッドでも特に人気なすのこベッド。ひのきは耐久性が強く、建築材としてはお寺などを作るのに昔から用いられています。
伐採してから200年間は強度が強くなり、その後1,000年くらいかけて伐採時の強度に戻ると言われています。虫や菌の耐性にも強い点もポイント。良い匂いを発するので気分を落ち着かせる効果や消臭や防ダニ効果も期待できます。
あると嬉しい棚・コンセント付きのヘッドボードと、4段階の高さ調節機能が付いた使い勝手の良いデザインも魅力。
サイズ | シングル~ダブル |
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カラー | ナチュラル |
価格 | 4万円台~ |
2. 北欧風シンプルすのこベッド「Banon」(他メーカー)
低価格でも頑丈
ベッド専門店「ネルコ」のすのこベッド。フレームに極太の板を補強した耐荷重350kgの強靭な耐久性が特徴で、きしみや揺れの心配がなく、安心して眠れます。
4段階の高さ調節ができるので自分の好きな高さで使えます。さらにパーツが少なく組み立ても簡単です。
なお、当サイトのレビュー記事で登場しているベッドフレームはこのBanonです。他メーカー製ですが、特に使用上の問題が見られなかったため、おすすめ商品としてご紹介します。
サイズ | セミシングル~ダブル (ロング・ショート丈あり) |
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カラー | ナチュラル、ブラウン、ホワイト |
価格 (Sサイズ) | 16,990円 |
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まとめ
いかがでしたか。
源ベッドの「夜香スタンダード」をご紹介させていただきました。
「国産・高品質・格安・捨てやすい」が特徴のポケットコイルマットレスです。
特に捨てやすさについては、源ベッドが開発した特許技術の分解構造のため、他のメーカーでは真似できません。
スプリングコイルマットレスの最大の弱点は捨てにくさですが、それを解決するための素晴らしい工夫と言えるでしょう。
寝心地も良いので、学生や新社会人など、あまり長期的にマットレスを使う予定がない人に特におすすめしたい逸品です。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。