ちぎられたウレタンマットレス

「簡単に捨てられるマットレスを選びたい」

そうお考えの方に、この記事では捨てやすいマットレスの選び方と捨て方をご紹介させていただきます。

マットレスを買うときに捨てることを考える人は少ないかもしれませんが、用途やシーンによって「捨てやすさ」は大切なポイントです。

数あるマットレスの種類の中でどれが捨てやすいかや、廃棄する方法などを詳しくご紹介します。ご参考いただけますと幸いです。

この記事を書いた人

管理人の椚大輔椚 大輔(くぬぎ だいすけ)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

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捨てやすいマットレスとは?

結論から言います。捨てやすいマットレスとは、ずばり「薄型のウレタンマットレス」です。

薄型のウレタンマットレス
薄型のウレタンマットレス

薄型のウレタンマットレスは、自分で分解すれば家庭ゴミ(主に燃やせないゴミ)として捨てることができます。

捨てやすいマットレスの種類とは?

まずは、代表的なマットレスの種類と、どのタイプが捨てやすいかをご紹介します。

一般的なマットレスの構造は上から

  • 側地(ガワジ)
  • 詰め物
  • クッション層

と続きます。※呼び方はメーカーで異なります

スプリングコイルマットレスの構造
スプリングコイルマットレスの構造

マットレスの違いは「クッション層」に現れ、素材ごとに大きく3つに分けることができます。

代表的なマットレスの種類

  1. スプリングコイルマットレス
  2. ウレタンマットレス
  3. ファイバーマットレス

1. スプリングコイルマットレスの特徴・捨てやすさは?

スプリングコイルマットレス

硬鋼線(こうこうせん)やピアノ線で出来たバネタイプのクッション材を使用したマットレス。復元率・弾性率が高く、要するに耐久性が高い傾向があります。

シモンズ・サータ・シーリーなど大手マットレスメーカーは基本的にスプリングコイルマットレスです。そして高級ホテルなどにはこれら有名メーカー製のスプリングコイルマットレスが採用されることが多いです。

廃棄時には鉄製なので、細かく分解するのは難しいため、基本的には粗大ごみ扱いになります。

スプリングコイルの分解
スプリングコイルは分解が難しい

さらに重量が重いのでゴミ捨て場に持っていくのも苦労するため、捨てにくいマットレスです。

なお、スプリングコイルの種類には「ボンネルコイル」「ポケットコイル」「高密度連続スプリング®」の3種類があります。

2. ウレタンマットレスの特徴・捨てやすさは?

ウレタンマットレス

ポリウレタンを発泡させて作ったクッション材。衝撃吸収性に優れ、軽量で比較的安価な点が特長です。通気性や耐久性が低いことがデメリットですが、安すぎる商品でなければ基本的に8~10年くらい使えます。

ウレタンフォームは要するにスポンジなので、簡単に切ったりちぎったりできるため、細かく分解して家庭ごみでも捨てやすいです。

ウレタンマットレスの分解
ウレタンマットレスは手でちぎれる

さらに、他のクッション材に比べて、比較的軽量なため、ごみ置き場にも持っていきやすいです。

3. ファイバーマットレスの特徴・捨てやすさは?

ファイバーマットレス

ポリエステルやポリエチレンの細い繊維を網目状に固めたクッション材。通気性が良く、様々な方向に反発するので寝返りがしやすい点がメリットですが、耐久性は低めです。

ファイバー素材は手ではちぎりにくいですが、ハサミで切れるので、細かくして家庭ごみとして捨てることができます。

ファイバー素材
ファイバー素材はハサミで切れる

ただし、ウレタンマットレスよりも分解に苦労するので、「家庭ごみとしても捨てられるけど、かなり大変」というレベルです。

なお、重量は重めですが、最近のファイバーマットレスは3分割タイプが主流になってきているので、粗大ごみの場合でも1ブロックずつなら力が弱い人でも移動もしやすいでしょう。

捨てやすいマットレス 3つ条件

1. ちぎりやすい・切りやすい素材

ウレタンをちぎる

マットレスを家庭ごみとして捨てるには、細かく切ってごみ袋に詰める必要があります。

カバーは折りたためばごみ袋に入りますが、問題はクッション材です。

上でご紹介したとおり、スプリングコイルマットレスは分解が難しいですが、ウレタンやファイバーなら分解(裁断)は可能です。

クッション材分解(裁断)
スプリングコイル×
ウレタン
ファイバー(樹脂)△(少し大変)

2. 厚みがない

薄いマットレス

家庭ごみとして捨てる場合の話ですが、ウレタンやファイバーを使ったマットレスでも厚みがあると切ったりちぎったりするのが大変になります。

あくまで目安ですがクッション材が厚さ10cm程度までなら、切ったりちぎったりするのに苦労はしません。

3. 軽量

粗大ごみで捨てる場合、マットレスをごみ置き場に持っていくのは重労働です。

シングル~セミダブルなら何とか一人でも持っていけますが、ダブルサイズ以上になると二人は必要です。

なるべく移動の負担を少なくしたい場合、「重量の軽さ」にも注目しましょう。ただし、体積に対して軽すぎるマットレスは、低密度なため耐久性が低い傾向があるのでご注意ください(特にウレタンマットレスの場合)

よって、ごみ置き場に移動するのが不安な人は、薄型タイプや分割タイプ(3分割などの折りたたみマットレス)がおすすめです。

薄型マットレスの注意点

トッパータイプは単体利用NG

薄すぎるマットレスはそもそもマットレスではなく「トッパー」として使う前提の商品も多いです。

マットレストッパー
マットレストッパー

トッパーはあくまで寝心地を調節するものなので、単体で使うと底付きを感じやすく寝心地としては良くありません。

目安としてクッション材の厚さが5cm以下の場合は、ほぼトッパーと考えて良いでしょう。

薄型マットレスを探している人は、必ず商品ページで単体でも使えるかご確認ください。

    底付きを感じやすい

    単体で使える薄型マットレスでも、通常の厚さのマットレスに比べると底付きを感じやすいです。

    薄すぎるマットレスは底付きを感じる
    薄すぎるマットレスは底付きを感じる

    普通に寝ている分には気にならない程度ですが、部分的・集中的に荷重がかかるときは床の存在を感じることもあります。

    目安としては厚さ10cm以上を選ぶと底付きを感じにくいでしょう(もちろん、素材の品質等によります)。

    なお、特に体重が重い(目安として80kg以上)の人は、薄型マットレスはあまりおすすめできません。耐久性としておすすめできるのはフランスベッドの「高密度連続スプリング®」を使ったマットレスです。

    細かくちぎって「家庭ごみ」として捨てる方法

    薄型ウレタンマットレスを細かくちぎって家庭ごみとして捨てる方法をご紹介します。

    まず、カバーとウレタンフォームを分けます。

    カバーとウレタンフォームを分ける

    そして、ウレタンフォームをひたすらちぎります。

    ウレタンフォームをちぎる

    商品によりますが、シングルサイズで15分くらいあれば細かくちぎることができます。

    ちぎられたマットレス

    この商品はカバーと合わせて45Lのゴミ袋4つで収まりました。

    ゴミ袋に入ったマットレス

    基本的にウレタンは「燃やせないゴミ」で、カバー類は「燃やせるゴミ」で捨てられます。

    ゴミ袋に入ったマットレス

    ただし、お住いの地域のよってゴミ出しのルールは異なるので、必ず各自治体のホームページなどをご確認ください。

    「粗大ごみ」の費用は?大変なの?

    マットレスの持ち運び

    マットレスを細かくちぎって家庭ごみで捨てることが面倒だと思う人は、粗大ごみを利用することになります。

    神奈川県横浜市の場合、マットレスの粗大ごみの廃棄手数料(費用)は以下の通りです。

    マットレスの廃棄費用

    • スプリングあり:2,200円
    • スプリングなし:1,000円

    参考までに、当サイトではマットレスをレビューした後で、廃棄をしていますが、やはり粗大ごみの方が手間だと感じています。

    マットレスの廃棄(粗大ごみ)
    マットレスの廃棄(粗大ごみ)

    申し込みをして、コンビニなどで粗大ごみシールを購入し、それを貼り、指定日を忘れずに待って捨てるというのがなかなかハードルが高いです。

    そして、何よりごみ捨て場まで持っていくの大変で、特にスプリングコイルマットレスにおいては、シングルサイズで20kg以上の商品も多く、力の弱い人はかなり苦労されると思います。

    よって、ごみ捨て場までマットレスを持っていく自信がない人も、薄型のウレタンマットレスがおすすめです。

    家庭ごみ・粗大ごみのそれぞれのメリット(〇)・デメリット(×)をまとめると以下の通りです。

    家庭ごみ粗大ごみ
    • 廃棄費用が抑えられる(〇)
    • 家庭ごみのルールで捨てられる(〇)
    • 分けて運べる・力が弱い人でも捨てやすい(〇)
    • 裁断の手間(×)
    • 裁断する手間がない(〇)
    • 申し込みが必要(×)
    • 廃棄指定日が少ない(×)

    捨てやすい!おすすめの薄型ウレタンマットレス 4選(すべて体験済み)

    椚大輔椚大輔

    当サイトではいくつものマットレスをレビューしております。その中で特に捨てやすく、寝心地も満足いくと思ったマットレスをご紹介します。

    1. リフレーションジャパン「SOMRESTAマットレスPREMIUM」

    ソムレスタマットレス

    フルスペックの薄型マットレス

    寝具・インテリア業界に20年ほど精通したプロが満を持して立ち上げた高品質ウレタンマットレスブランド。超高密度なウレタンフォームを使用し、従来の3倍(240,000回)の圧縮テストでも復元率99.6%を誇る抜群の耐久性が特長。高い反発性があるので寝返りもしやすいです。

    SOMRESTAマットレスPREMIUMの体験
    SOMRESTAマットレスPREMIUMの体験

    カバーは抗菌活性値5.9(強い効果が認められるレベル)の抗菌性がある生地を使用。取り外して洗えるので、汗をかきやすい人にもおすすめです。薄型タイプのため、ロフトベッド・二段ベッドにもぴったり。使わないときには折りたたみも可能という、寝心地・使い勝手・衛生面の三拍子が揃ったまさにフルスペックの薄型マットレスと言える仕様です。

    サイズシングル~ワイドダブル
    硬さやや硬め
    クッション材ウレタンフォーム
    価格49,800円
    その他両面仕様、高反発、高密度、抗菌防臭・防ダニ

    このマットレスを見てみる

    2. 快眠タイムズ「エコラテエリート 10cm三つ折りマットレス」

    エコラテエリート10cm三つ折りマットレス

    1万円台で選ぶならコレ

    寝具メーカーの篠原化学(愛知県)が運営する「快眠タイムズ」のオリジナル折りたたみマットレス。

    凹凸構造のウレタンフォームによって、体当たりはふんわりとしつつ、沈み込んだらグッと押し返す反発性も兼ね備えています。

    エコラテエリートの体験
    エコラテエリートの体験

    密度32D復元率98%という仕様なので、1万円台で買える格安モデルとしては耐久性はかなり優れていると言え、さらに60日のトライアル付きなので気軽に試せることもうれしいポイントです。

    サイズシングル~クイーン
    硬さふつう
    クッション材ウレタンフォーム
    価格19,990円
    その他高耐久、お試し期間

    このマットレスを見る

    3. モットン

    モットン

    腰対策マットレス

    モットンは株式会社グリボーという日本のベンチャー企業が販売しているマットレス。高い体圧分散性と反発力が特徴で「腰対策」として開発され、販売ページの体験談を見ると腰痛もちの人から支持されているようです。

    90日間のお試し期間もあるので、気になった方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

    サイズシングル~ダブル
    硬さふつう
    クッション材ウレタンフォーム
    価格39,800円
    その他両面仕様、高反発、お試し期間

    このマットレスを見てみる

    4. 源ベッド「夜香スタンダード」

    源ベッド「夜香スタンダード」

    画期的!スプリングで分解できる

    広島県の老舗ベッドメーカー「源ベッド」のオリジナルマットレス。基幹ブランド「夜香(やこう)」の中でエントリーグレードで、特許技術による「簡単分解構造」が特徴です。

    夜香スタンダードの簡単分解構造
    夜香スタンダードの「簡単分解構造」

    ポケットコイルマットレスにもかかわらず、コイルのひとつまで簡単に分解できます。

    JIS最高レベルの硬鋼線を使用した国産モデルで、寝心地も素晴らしく、価格が2万円台という驚異的なコストパフォーマンスです。「捨てやすいポケットコイル」と言えばこの商品一択でしょう。

    サイズシングル~ダブル
    硬さやや硬め
    クッション材ポケットコイル
    価格27,900円
    その他片面仕様、耐久性抜群

    このマットレスを見てみる

    買い替えなら「引き取りサービス」もおすすめ

    マットレスの回収(業者さん)

    マットレスを買い替える場合、ショップによっては「購入を条件」に引き取りサービスを実施している場合もあります。

    基本的には費用がかかりますが、新しいマットレスをお届けのタイミングで捨てたいマットレスを回収してくれるので、ゴミ捨て場に持っていけない人にとっては、かなりうれしいサービスと言えるでしょう。

    引き取りサービスを実施しているおすすめショップは以下の記事でご紹介しているのでご参考くださいね。

    まとめ

    マットレスの分解後

    いかがでしたか。

    捨てやすいマットレスの特徴・捨て方・おすすめ商品をご紹介させていただきました。

    なお、粗大ごみでマットレスを捨てると1,000~2,200円ほどかかります(横浜市の場合)。

    収集費用自体はそれほど大きな金額ではありませんが、粗大ゴミは決められた日時に捨てなければならず、申し込みなども煩雑に感じることも多いと思います。

    『なるべく簡単に捨てられるマットレスが良い』とお考えの人に、この記事がご参考になったのなら幸いです。

    最後までお読みいただき誠にありがとうございました。